2017年度中に橋本研のプレ配属生(学部2年生)が制作した作品を紹介します! 今年は自由なテーマで各自作品制作を行いました。流行もあってかVR作品が目を引きますね~。
(作品紹介は各作者、コメントは橋本)


VR迷路、上から見るか、中で歩くか (椎名星歩,渡辺真輝)

【作品紹介】
VRゲームはプレイしている人は楽しいが、見ている人は面白くない。そのため私達は周りの見ている人も楽しめるゲームを作成した。HMD装着者は腕を振りVR空間上を移動し、非装着者は俯瞰視点からステージ全体を眺めることができる。HMD装着者にしか見れない物や、非装着者にしかできない事を駆使して、ゴールを目指そう。


【コメント】
動画では説明されてませんが、HMDを装着しない外野はスイッチ操作による壁のスライド操作ができたり、敵がどこにいるかがわかったりする一方で、HMD装着者は抜け道を見つけることができたり、秘密の小部屋の中身を見ることができたりと、どちらの体験も楽しくなるように工夫されています。また、歩行ジェスチャによる移動操作が酔いにくくデザインされている点も素晴らしい。


Fake Window (小野由祐香)

【作品紹介】
窓枠をつけたディスプレイに画像を表示させることで、偽物の窓をつくりました。Kinectを使って頭の位置を取得し、その位置と連動して画像が動きます。10枚の画像をレイヤー状に配置してあり、奥の画像と手前の画像の動きに差をつけて奥行きを演出しています。


【コメント】
HMDを使わないVR作品です。人の視点に合わせてインタラクティブに映像を表示することで画面の先に空間が広がっているように見せています。今風に言うとDynamic VRですね。3Dモデルに見えますが、2Dの絵をPCで描いて作られています。よく描いたなぁ。


TelepoGate(武田雄太)

【作品紹介】
瞬間移動ができるVR作品です。Vive Trackerをつけた靴を履いてVR空間を歩き回ります。VR空間内の床に配置されたマーカーに乗ると、そこに書かれているイラストの場所に瞬間移動することができます。移動した先ではそれぞれの世界感に沿った体験ができます。例えば、森の中ではセミの鳴き声が聞こえたり、島では波の音が聞こえるなど。また、足音も床によって変わって聞こえます。


【コメント】
一番よく出来ていたのが「足回り」の演出です。靴にViveトラッカを取り付けることで、VR空間中の視界のなかにもきちんと自分の足(靴)が表示されます。これをやると自分の身体がそこにある感じがグッと高まります。VRではこういう身体感覚が大事ですね。木製の床を踏んだ時にちゃんと「ギギギ」ときしむ音がするようにしていたのも良かったです。制作後半では圧力センサを使って踏み込みに合わせて音が鳴るようにする仕掛けにもトライしていました。


E.C.I.D (平野祐也)

【作品紹介】
ダイスを振るという行為は、人々に軽快な音楽と心地良い刺激を与えてくれます。ただこの行為の目的である乱数発生は他の方法でも可能であり、計算が面倒なダイスをあえて使う意味はありません。ではダイスを振る行為の目的は何でしょう。E.C.I.D.はその問いの答えを教えてくれます。”E.C.I.D.(エシッド)”…実はこれはDICEの逆さ読みになっていることに気が付きましたか? 「DICE」は乱数発生を目的に振るものですが、この「E.C.I.D.」はダイスを振ることが目的のため、「DICE」と逆であるというメッセージを名前に込めました。またE.C.I.D.は”Expanded Convenient Ideal Dice(拡張された便利で理想的なダイス)”の略称でもあります。


【コメント】
ダイスがたくさんあると目を読むのが面倒だけど、完全にデジタルにせずに、サイコロを触っている感じ、振っている感じはちゃんと残したい! という発想から生まれた作品です。実物のダイスを振りつつ、出目の表示と計算はコンピュータにまかせる、という方法で双方のいいとこどりをしていてGoodです。


My supporter (坂本和佳奈)

【作品紹介】
勉強や作業で疲れたときに、自分の前に好きな人物が現れ、応援してくれるツールです。プラスチック板を箱に差し込むことでArduinoに接続された赤外線センサが反応し、プロジェクターで人物が投影されます。設定次第で数種類の応援を登録することが可能です。


【コメント】
デジタルサイネージの一種に、人型に切り抜かれた半透明スクリーンに人物映像が表示されるものがありますが、それの卓上版です。スクリーンになっているプラスチック板の下部には、赤外線の遮光の有無による3ビットのパターンが組み込まれており、どのスクリーンを挿しこんだのかを自動判別する仕組みになっています。表示バリエーションとして、アツイことで有名な某スポーツ解説者や、某イケメン声優などいろんな人が表示されていました。


LinkPaper (西川尚志)

【作品紹介】
紙に記載されたURLを打ち込むとき「めんどくさい」と感じたことはありませんか? もしも、URLをタッチするだけで身近なデイスプレイに表示出来たら…。そこでHoloLensを用いてAirTapしたときの指の位置にあるURLをPCのブラウザで開くようなアプリケーションを開発しました。AirTapした時に撮影した画像からOpenCVによる指の位置を検出とGoogle Cloud Vision APIによる文字列の検出を行い、WebSocketを使ったリアルタイム通信で指の位置にある文字列をPCに送っています。


【コメント】
指先の検出や文字認識など、実用的な画像処理を頑張った作品です。紙に印刷されたURLを指さした時にパッと画面が表示されるのはなかなか面白いです。こういうのがARグラスに常駐アプリとして動いていて、すぐにパッとWebページを見れるようになるといいですね(URLを紙媒体に書く文化がいつまで続くかわかりませんが)。ちなみに、普通のWebカメラとPCで動作する、HoloLensを使わないバージョンもあります。


ToolBattlers (丸山寛人)

【作品紹介】
その場にある様々な「物」を魔法具に変えて戦うゲームです。傘、バスケットボール、ぬいぐるみなど、あらゆる物を使って遊べます。物体の形状によって「魔法の杖」「魔法の宝珠」「魔法銃」のいずれかに分類されます。また、重ければ重いほど攻撃力が増加します。判別された物にjoy-conを結びつけることにより、その「物」がコントローラとなります。分類された魔法具によって、異なる操作でゲームをプレイできます。Joy-conのセンサにより、「物」の動きが画面の魔法具と完全に同期し、振動による触覚フィードバックもあるため、まるで手に持っている「物」が本当に魔法具であるかのような体験ができます。また、移動にはwiiバランスボードを用いている為、直感的な操作でゲームを楽しむことが出来ます。


【コメント】
「その辺に転がっているモノをコントローラ(武器)にできるゲーム」というコンセプトは大変良かったんですが、手順がやや複雑な感じになってしまったのがちょっと惜しい。例えば、物体判定後の操作もカメラによる画像計測を採用すれば、そのままスッとプレイできるようになってよりよいはずです。それにしても、犬のぬいぐるみを銃に見立ててプレイしている光景は絵的にかなり面白いですね。


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